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2018/7/27

企業情報 - 自動車メーカー

FCA、マルキオンネ前CEOが死去

この記事の要約

欧米資本の自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のセルジオ・マルキオンネ前最高経営責任者(CEO)が死去した。享年66歳。7月初めにスイスで肩の手術後、合併症が起きたとされる。マルキオンネ氏は、2 […]

欧米資本の自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のセルジオ・マルキオンネ前最高経営責任者(CEO)が死去した。享年66歳。7月初めにスイスで肩の手術後、合併症が起きたとされる。マルキオンネ氏は、2004年から14年間に渡りCEOを務めた。経営難に陥っていたフィアットの自動車事業の再建に尽力し、米クライスラーとフィアットの合弁を成し遂げた。フィアットの取締役会などにもセーターで現れるラフなスタイルが有名だった。

FCAは21日、予期せぬ合併症が起こり、マルキオンネ氏は復帰できないと明らかにし、2009年からジープのトップを務めるマイク・マンリー氏(54)が新CEOに就く人事を発表していた。

マルキオンネ氏はイタリアのアブルッツォに生まれ、14歳で家族と共にイタリアからカナダに渡った。大学では哲学、経営学、法律を専攻した。

1983年にカナダで米会計事務所デロイト&トウシュの会計士・税理士としてキャリアをスタート。その後、カナダの包装材メーカー、ローソン・マードンやスイスの製薬・バイオテクノロジー会社ロンザ・グループなどを経て、2002年にスイスに本部を置く世界最大の審査・検査機関SGSのCEOに就任した。SGSでは事業再建に手腕を振るい、2006年3月に会長に就任した。

フィアット・グループでは2003年5月に社外取締役となり、2004年6月からCEOを務めた。マルキオンネ氏がフィアット・グループのCEOに就任した際には、自動車産業での経験を持たない同氏の手腕を疑問視する声もあったが、同氏は官僚主義的な組織刷新や財務改善、新モデルの投入などにより自動車事業の再建に成功した。

■ フェラーリなどトップ人事発表

マルキオンネ氏は、高級車ブランド、フェラーリの会長兼CEOおよび商用車や産業機械を製造するCNHインダストリアルの会長も務めていた。フェラーリは21日、ジョン・エルカン氏が会長、ルイス・C・カミッレーリ氏がCEOに就任する人事を発表した。CNHインダストリアルも同日、スザンネ・ヘイウッド氏が会長に就き、CEOは新人事が決まるまでデレク・ネイルソン氏が暫定的なCEOとして業務を継続すると発表した。

なお、FCAは23日、マンリー新CEOが欧州、中東・アフリカ地域(EMEA)事業の最高執行責任者(COO)も兼務すると発表した。

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