欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2018/6/4

EU情報

使い捨てプラ製品の利用禁止、欧州委が提案

この記事の要約

欧州委員会は5月28日、EUがストローなど一部の使い捨てプラスチック製品の使用を禁止することを提案した。プラスチックごみによる海洋汚染に歯止めをかける戦略の一環で、加盟国と欧州議会の承認を19年5月の欧州議会選挙より前に […]

欧州委員会は5月28日、EUがストローなど一部の使い捨てプラスチック製品の使用を禁止することを提案した。プラスチックごみによる海洋汚染に歯止めをかける戦略の一環で、加盟国と欧州議会の承認を19年5月の欧州議会選挙より前に取り付けることを目指す。

禁止の対象となるプラスチック製品は、環境に優しい代替品が低コストで入手できる状況にあるストロー、ナイフ、フォーク、皿、マドラー、綿棒の軸、風船スティック。飲料容器については、蓋付きの製品に限って利用を認める。

欧州委によると、欧州では毎年2,580万トンのプラスチックごみが排出されているが、リサイクルされるのは30%未満にとどまっている。海に流出する海洋ごみの85%がプラスチックごみで、海洋生物の生態系に深刻な影響を及ぼしている。欧州委はEUで出るプラスチックごみの8割を受け入れてきた中国がごみ輸入を禁止したこともあって、1月に「EUプラスチック戦略」を発表。2030年までに使い捨てのプラスチック製容器、包装をゼロとする方針を打ち出した。

今回の提案は同戦略に沿ったもの。プラスチック製の食品容器、飲料用カップについて、加盟国が代替品導入の促進、無料提供の廃止などによって利用削減に取り組むことや、2025年までに飲料用ペットボトルの90%を回収するよう加盟国に義務付けることも提案した。さらに、海岸のごみの27%を占めるプラスチック製漁具のごみ回収のコストを生産者に負担させることなども提案した。